一億三千万人のための小説教室
高橋 源一郎 / 岩波書店 ISBN : 4004307864 既に書かれた小説は過去のものである。小説を書くという試みの原点は、今ある世界に対する疑問ではないだろうか。過去の総体である現在に違和感を感じ、なんとか乗り越えようとする。そうした切実な思いが作家に筆を取らせる。小説は根底において未来に属するものなのだ。「少し長いまえがき」にはだいたいこのようなことが書いてある。 小説作法には哲学がある。それを通して小説の深いところでの面白さを知ることができると以前書いた。まさにそのような本である。購入のきっかけは保坂一志の著書(『書きあぐねている人のための小説入門』)での紹介。これ以外にまともな小説の書き方マニュアルはないとあり、小説作法書フリークとしては買わないわけにはいかなかった。 技術的なことはどこにも書かれていない。作者はこう語るだけだ。口まねをしろ、と。考えてから言葉が生まれるのではない。赤ん坊がそうであるように、言葉は口まねから生まれる。そこで大切なのは好きでたまらない本と出会うこと。口まねは消化するための手段だ。好きなものを食べる。本当に自分に合うものは血肉として自分の一部になる。うまく吸収されなかったものは肥料として蓄えられる。食べて、食べて、食べまくれ。 朗読は時間がかかる分、読んでいることを忘れるくらい物語の世界へ入りこめる。少し前のブームはそれが廃れていることのあらわれだろう。読み聞かせ、楽しいのにね。
by gogayuma
| 2005-02-02 12:36
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全体 文芸/日本現代 ∟村上春樹 文芸/日本古典 文芸/海外現代 文芸/海外古典 ∟W.S.モーム 文芸/小説作法 文芸/雑記 徒然なるままに 映画/☆3以上 映画/☆3未満 音楽/邦楽 ∟Mr.Children 食&酒 旅行記 日記・雑記 マイ・ノート
五賀 祐馬 gogayuma
新宿区在住、21歳、♂ gogayuma@excite.co.jp 右上の動物は実家で飼っているプレーリードッグ。イメージキャラクターです。小動物やイヌネコ系と揶揄される僕の遠縁でもあります。 好きなこと... 一、飲む (酒を) 二、語る (人と) 三、聞く (話を) 四、読む (本を) 五、聴く (音楽を) 六、観る (映画を) 七、見る (世界を) 八、潜る (海へ!) 嫌いなものはありません。 好きな小説 『人間の絆』モーム 『海辺のカフカ』村上春樹 『我が人生の時の時』石原慎太郎 好きな本(小説以外) 『松本の遺書』松本人志 『文章読本』谷崎潤一郎 『ツァラトゥストラ』ニーチェ 『エチカ』スピノザ 好きな音楽(家) Mr.Childrenの全て 槇原敬之 BUMP OF CHICKEN 好きな映画 『ニューシネマパラダイス』 『ショーシャンクの空に』 『ビッグ・フィッシュ』 評価基準は■こちらです。 要約すると以下の通り。 ☆☆☆☆+以上 殿堂入り ☆☆☆ 良作(オススメ) ☆☆ 普通(基準値) 殿堂入り作品リスト なし 特別リンク 雨のち晴れ(ミスチル歌詞) 最新のコメント
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